ウツギ(空木)、リョウブ(令法)-植物の名前あれこれ
実家の庭で知らない花木を発見。スマホで調べると姫ウツギとのこと。
大体今まで春から初夏にかけては展覧会シーズンで忙しく、実家の庭を細かく観察ということがなかった。コロナ禍で行く機会も多くなり、いろんな植物を発見できる。
姫ウツギはいけばなで使ったことがないけれど、2~3センチぐらいの房状の花をたくさんつけていてなかなかかわいらしい。
ウツギというのは漢字で書くと空木と書く。
枝の軸の中心が空洞だからそういう名になっている。よく使う花材で言うと梅花空木、またの名を五月梅もウツギである。中空のものは結構折れやすい。ためる(曲げる)時は慎重にしなければならない。
姫ウツギを見ていると、同じような花で姫リョウブを思い出した。
姫リョウブの別名はコバノズイナ。共通するのは同じユキノシタ科ということだ。また、姫の字がつくと小さいという意味もある。普通のウツギより小さい、普通のリョウブより小さいということである。他にも花で言うと姫百合、姫ひまわりなどもそういう類だ。
同じように、上に何かをつけるもので言うと、イヌの付く植物も多い。否(いな)、役に立たない、劣るという意味や、犬の意味などがあるということだ。
コウヤマキに対してイヌマキ、ヤナギタデに対してイヌタデということで、マキの方はコウヤマキより劣る、タデの方はヤナギタデには辛味があって刺身のツマになるがイヌタデには辛味がない、ということらしい。
姫とつくとかわいらしい感じがして良いが、イヌがつくとちょっとマイナスイメージとなってしまう。実際にはイヌマキはよく庭木に使われているし、イヌタデもかわいらしい花だ。名前によってイメージが決まってしまうのは、植物によっては心外だと思うものも多くいるところだろう。姫ウツギから、思いつくまま名前について書いてみた。
緊急事態宣言も解けたが、まだまだ安心はできない。そろりそろりと慎重に、いけばな活動も再始動といきたい。