花をとり合わせる No.2
花屋さんにはバラやカーネーションに代表される“洋花”や、日本の季節感を表現するに相応しい花菖蒲のような“和花”が種類も豊富に扱われている。いけばなでは和花だけあるいは洋花だけの取り合わせや、その両方の取り合わせなど上手に組み合わせながら変化させていく。
花にはそれぞれ色、形、そして季節感といったものがある。季節感というのは、今では大分薄れているが、一つの器の中に少しは取り入れて時期の移り変わりを感じたいものだ。
今回は、まず全体的にそれぞれの花が生きるような取り合わせというものを形のうえから考えてみたい。
花だけで考えて見ると、グラジオラスのように棒状の姿で上部に何輪も花が咲くものがある。また、一輪咲きのバラのように軸の上に一輪丸い花が乗っかっているものもあるし、カスミソウのように小花がたくさん広がってちりばめられた花もある。花の姿は今書いただけでもたくさんの種類があるが、とにかく大きさやフォルムがある程度異なったもの同士を合わせてやると良い。逆にいうとバラとカーネーションといったように、同じような大きさで、花が軸の上にポンとのったもの同士を合わすのでは変化に乏しい感じになる。
花には面の要素の強いもの、マッス(塊)の要素の強いもの、そして流れを作る線の要素の強いもの、点の要素の強いものなど色々ある。それぞれ違った要素が組み合わさると変化に富んで美しい。
次に色であるが、最近の花色は生産する人の努力もあり本当にいろいろある。珍しい花色に出会うとこちらも想像力を掻きたてられる。花は形も伴うので、色の取り合わせといっても一概に言えないところはあるが、一般的に原色に近い反対色同士、コントラストの強い色同士にするとはっきりした強いイメージになり、同系色の組み合わせや、コントラストの弱い色同士にすると落ち着いた柔らかいイメージになるといわれる。
ただ花の色は絵の具と違って、“作り出す色”ではなく、あくまで“出会う色”である。出会いを大切にしながら、色そして形の組み合わせを楽しみたいものだ。